腕時計のベルト調整といえば、「長いベルトを短くする」と思う方が多いかもしれませんが、実際には「短くした金属ベルトを長くしたい」というご相談もよく頂きます。
購入当初はピッタリだったベルトも、年月を重ねるうちに腕周りが変化してきたり、季節によるむくみや体型の変化などで、少しずつきつく感じるようになったり…。特に金属ベルトは微調整が難しく、数ミリの差でも装着感が大きく変わるものです。
「もう少しだけ緩くしたいけれど、切ったコマを捨ててしまった」「メーカーに頼んだらベルト交換しかできないと言われた」そんな声が、時計修理工房にも多く寄せられています。
腕時計は、単なる時間を知るための道具ではなく、思い出やこだわりが詰まった大切なアイテム。だからこそ「できれば今のベルトのまま使い続けたい」という気持ちは、とても自然なものです。
ここでは、ベルト調整に関するメーカー対応と時計修理店との違いや費用感、依頼時のポイントを解説いたします。同じようなお悩みをお持ちの方はぜひご参考になさってください。
ベルト調整についてよくあるお困り事
腕時計の金属ベルトは、購入時に一度サイズ調整すると、そのままずっと再調整することなく使い続けられる方が多いです。しかし一方で、年月の経つうちに手首周りが少しずつ変わっていき、次のようなお困り事が起きる場合があります。
- 購入当初は少し余裕があるくらいでちょうどよかったのに、いつの間にか装着跡がくっきり残るほどベルトが食い込むようになっていた。
- 夏は冷えすぎや水分の過剰摂取で、冬は寒さによる血行不良で、腕がむくみやすくなるため、その時期はベルトの締め付けがきつくなる。
- ジム通いや筋トレ、日常生活の変化(車の運転や肉体労働の増加など)によって手首の筋肉が発達し、以前よりも時計ベルトがきつくなってきた。
- 家族や知人に時計を譲ったが、自分よりも手首のサイズが大きいため、今のままではきつくて使いづらいと言われた。
締め付けのきつい時計ベルトを長時間着けていると、ベルトの圧迫感が増して血行が悪くなったり、ストレスを感じたりします。特に汗ばむ時期は、肌と金属が密着して着け外しがしにくくなったり、デリケートな方は肌を傷めたりします。
せっかくお気に入りの時計を身につけたいのに、こうした理由で泣く泣く引き出しにしまっている――そんな方も多いのです。
もしお客様が、お時計の購入時にサイズ調整を行っていて、その際に外したベルトのコマを保管されていれば、それを使って比較的簡単に長さの再調整ができます。しかし実際は、その余りコマを「紛失した」「捨ててしまった」といった理由で手元に残していないケースがほとんどと言って良いでしょう。「箱も説明書もどこへやったか覚えていない」という方も少なくありませんからね。
そして販売店やメーカーに相談しても、「コマがないと延長はできない」「純正部品の在庫がなく、ベルト全体の交換になる」と、思いがけない高額の修理を勧められてしまうパターンになってしまうのです。
メーカー修理ではどうなる?
「短くした金属ベルトを、もう一度長くしたい」そう考えてまず最初に思い浮かぶのは、購入したメーカーや正規販売店へ相談する方法でしょう。しかし実際には、メーカーでは思うような修理ができないケースが多いのが現状です。
廃盤・旧モデルではパーツ供給が終了していることも
腕時計の金属ベルトはモデルごとに微妙に形状が異なり、ベルトの厚みやピンの径もバラバラです。そのため、同じブランドでも製造時期が違うだけでパーツが適合しない場合があります。
特にロレックスやオメガなどの人気ブランドでは、古いモデルのコマ単体パーツが既に生産終了となっている場合も多く、メーカー修理では対応が難しいのです。さらに廃盤モデルや限定モデルなどレアな時計のベルトとなると、そのパーツはますます入手が難しくなります。
結果として、メーカーは修理受付はしても「交換用パーツが入手できません」と案内されるケースは珍しくありません。
「一部修理」ができず、ベルト全体の交換を勧められる
メーカーでは基本的に「新品同様の状態でお返しする」のを目的としており、一部分だけを修理・延長する対応は行わない方針をとる場合が多いため、コマを追加したいだけでも「ベルト全体の交換が必要」と言われてしまうことがあります。
もちろん、純正ベルトに交換すれば見た目も品質も万全ですが、その費用はモデルによって異なるものの、ロレックスなど高級腕時計の純正ベルトなら数万円から十数万円に上るものもあります。
さらに交換が完了するまでの納期も長く、海外工場への送付が必要な場合は1~2か月待ちも普通です。
「メーカーでしか直せない」とは限らない
多くの方が「メーカー以外では修理できないのでは?」と思われがちですが、実際にはそんなことはありません。
時計修理専門店の中には、メーカー同等の設備や技術を備えた工房も多く存在します。純正パーツが手に入らない場合でも、同型・同質の代替コマを探して延長調整するなど、柔軟な対応が可能です。
これはメーカーの対応に問題があるわけではなく、メーカーはあくまで「完璧な状態への復元」を目的としているのに対し、時計修理店は現状を活かし、使いやすくすることを目的としている、というスタンスの違いによります。
時計修理工房ならここが違う!
時計ベルト延長に必要なパーツがお手元になく、メーカーでは難しいと断られた場合でも、私たち時計修理工房なら柔軟にご対応可能です。
金属ベルトの延長・修理サービスに関する私たちの強みをご紹介します。
主要ブランドのパーツを豊富にストック
長年にわたる修理実績の中で、ロレックスやオメガ、タグホイヤーなど主要ブランドの金属ベルトパーツを多数ストックしています。
特に廃盤モデルや年代物の時計ではメーカーでパーツ供給が終了している場合もありますが、時計修理工房では過去に修理した際に入手した純正部品を適切に保管・管理しており、対応できる範囲が非常に広いのが特長です。「もう手に入らない」と言われたモデルでも、ご相談いただければご要望におこたえできるかもしれません。
独自のネットワークでベルト部品を手配
もしお求めのパーツの在庫がない場合でもご安心ください。時計修理工房では提携ルートを通じてパーツを迅速に手配しています。純正パーツはもちろん、互換性の高い代替パーツを確実に探し出すノウハウを持っています。
このネットワークの活用により、メーカー経由では時間がかかる部品供給もより短期間・適正価格での対応が可能です。
地金からのコマ製作やレーザー溶接も
パーツそのものが手に入らない場合でも、時計修理工房では地金素材からコマを一から製作できるのが強みです。素材や仕上げの質感、色味まで忠実に再現し、元のベルトと見分けがつかないほど自然に仕上げます。
また、ピン折れや留め具破損など、わずかなトラブルであればレーザー溶接による精密なピンポイント修理により美しい仕上げが可能。全交換によらない修理の選択肢が広がります。
無料見積で安心の明朗対応
ベルトや時計の修理を依頼する際に不安なのが「いくらかかるのか」「どれくらいの期間が必要か」という点ですが、時計修理工房では修理前に必ず無料見積を実施し、費用と納期を明確にご案内します。作業内容や交換部品の有無についても丁寧に説明し、了承を得てから作業に入るため、初めての方でも安心です。
「無料見積配送パック」で郵送でのお見積り・修理にも対応しており、全国どこからでもご依頼いただけます。遠方のお客様にはLINEでの写真によるお見積りも行っており、店舗まで足を運ばなくても気軽にご相談いただけます。
修理事例のご紹介
時計修理工房で実際にベルト延長修理を行った事例をご紹介いたします。
詳しくはリンク先ページをご覧ください。
修理費用の目安
時計ベルトの延長修理は、交換やオーバーホールのように大掛かりな作業ではありません。修理費用は店舗によって異なりますが、私たち時計修理工房での費用の目安は次の通りです。ぜひご参考になさってください。
| コマ支給(取付のみ) | 相場:2,000~3,000円 |
|---|---|
| お手元に余りコマが残っている場合は、取り付け作業のみで対応可能です。 時計の状態確認と動作チェックを行いながら、ピンやネジを適切に固定します。作業は短時間で完了し、即日お渡しできることもあります。 | |
| 店舗でコマ手配+取付 | 相場:8,000~20,000円 |
| 純正コマまたは互換パーツを店舗側で手配し、サイズ調整を行います。 ブランドやモデルによって価格は変動しますが、メーカー交換よりもリーズナブルで、見た目も自然な仕上がりになります。「どのパーツが合うか分からない」という場合でも、専門スタッフが最適な部品を選定します。 | |
| 代替パーツ製作+取付 | 相場:20,000~40,000円 |
| 廃盤モデルやパーツ供給が終了した時計の場合、地金素材から新たにコマを製作します。 素材の種類や仕上げ方法により費用は異なりますが、純正に近い質感を再現可能です。製作工程には高度な加工技術を要しますが、ベルト全交換よりはるかに経済的に仕上げられます。 |
メーカーでベルトを新品に交換すると、ブランドによっては数万円から十数万円かかることがありますが、延長修理だとその数分の一程度の費用で済むケースが多いです。
時計修理工房では、修理前に必ず無料お見積りを行っていますので安心してご相談ください。
ベルト延長を依頼する前に確認しておきたいこと
時計ベルトの延長修理をご依頼いただく前にいくつかのポイントを確認しておくと、修理がよりスムーズに進み、仕上がりにも満足しやすくなります。
ここでは、時計修理工房にご依頼いただく際にぜひ押さえておきたい3つの確認事項をご紹介します。
残っているコマや付属品があれば一緒に持ち込む
ベルトを購入時に短くした際の「余りコマ」がお手元に残っていれば、それが最も理想的な修理パーツです。純正のコマを再利用できるため、素材・色味・仕上げが完全に一致し、修理後も自然な見た目に仕上がります。また、ピンやネジ、バックル部品なども一緒にご持参いただくと、作業がよりスムーズです。
紛失している場合でも店舗側で代替パーツを手配できますが、「あるかどうか分からない」という方はぜひ一度確認してみましょう。
純正パーツ希望か、代替パーツでも構わないかを事前に伝える
時計修理工房では、可能な限り純正パーツでの修理を優先していますが、廃盤モデルや生産終了モデルでは純正パーツの入手が難しい場合もあります。お客様には、「純正にこだわりたい」か「見た目が近ければ問題ない」かを事前に伝えておいていただくと、最適な修理方針を立てやすくなります。
純正を希望される場合は、適したパーツが入手できるまで長期間かかることもあります。また純正品が入手不可能なケースもありますのでご了承くださいませ。
時計のブランド・モデル情報を伝えておく
同じブランドの時計でも、モデルや年代によってベルトの構造が異なり、使われているピンやコマの形状も細かく変わります。
そのため修理を依頼される際は、時計のブランド名・モデル名・型番などの情報をお伝えいただくとその後のパーツ手配等が非常にスムーズです。職人が適切なパーツをすぐに特定でき、お見積りも正確になります。
箱や保証書、裏蓋の刻印などに記載されていることが多いので、修理を検討する前に一度確認しておくと良いでしょう。
ベルト延長は「交換しかない」と諦める前に時計修理工房にご相談を
ロレックス・オメガなど高級腕時計の金属ベルト延長についてご説明してきました。
金属ベルトのコマ足しで重要なポイントは、「足りないコマをどう手配するか」です。お客様が保管されていれば何の問題もありませんが、何しろ小さいものですから、長い期間のうちに紛失してしまうケースがあるのも無理のないこと。それでも、長年使い続けて愛着のある時計ベルトを簡単に全交換してしまうのは気が引けるでしょう。
私たち時計修理工房は、年間修理本数12,000本を超える時計修理のプロフェッショナルです。
ロレックス・オメガ・カルティエをはじめ、国内外の主要ブランドの修理実績を多数誇り、金属ベルトのコマ足し・ピン修理・部分製作など、ベルト関連のご依頼にも豊富な経験がございます。
「他店で断られた」「メーカーで全交換しかできないと言われた」というケースでも、まずは一度ご相談ください。純正パーツ・代替パーツの両面から最適な方法をご提案し、高額な全交換を避けながら、お手持ちの時計を末永く使い続けられるようサポートいたします。
お見積りは東京・大阪の店舗にご来店いただくか、「無料見積配送パック」で郵送でのお見積りやLINE見積も承っております。
時計ベルトが短くて使いづらいと感じてきた方は、ぜひ一度、時計修理工房へご相談ください。経験豊富な時計職人が“ちょうどいい着け心地”を取り戻します。





