パシャの歴史は1930年代に遡り、モロッコの太守(パシャ)がプールでも着用できる時計としてカルティエに特注したことが起源です。1985年に一般発売されると、スポーツウォッチとして瞬く間に人気を集めました。ラウンドケースにチェーンで繋がれたリューズプロテクターと、4・3・6・9時位置のアラビア数字が象徴的なデザインで、カルティエの創業年を冠した自社製自動巻きムーブメントを搭載した機械式モデルです。
今回の機械式モデルには、カルティエの創業年を冠した自社製自動巻きムーブメントを搭載。機械式ならではのこだわりを持つオーナー様に長年愛用されてきた一本です。
オーナー様からのご依頼は、「動作はしているが、長年オーバーホールをしていないのでメンテナンスをお願いしたい」というものでした。時計は動き続けているように見えても、内部のオイルは少しずつ蒸発・劣化し、金属部品の摩耗が進んでいきます。定期的なオーバーホールは、時計を長く正確に動かし続けるために欠かせない作業です。
お預かりした時計をまず全体的に確認してから、丁寧に分解していきます。取り出した部品は一点一点、専用の洗浄装置で汚れをしっかり落とします。長年の使用でオイルかすや微細な金属粉が内部に蓄積していることが多く、こうした汚れを取り除くことが精度回復への第一歩です。
洗浄が終わったら、各部品の状態を入念に確認します。今回はゼンマイ(時計を動かすための動力源となるバネ)の劣化が認められましたので、新しいものと交換いたしました。その後、各部品に適切なオイルを差しながら丁寧に組み立て直し、精度や各機能の動作確認を行います。
本体のオーバーホールが完了したら、仕上げ作業に移ります。研磨によってケース表面のくすみや細かな傷を取り除くと、パシャ本来の美しい輝きが見事に蘇りました。
このたびはご利用ありがとうございました。
【修理費用内訳】
・分解調整(分解、洗浄、調整、注油、組立、点検) 一式 38,000円(税抜)
・ゼンマイ交換 8,000円(税抜)
・研磨 14,000円(税抜)





