街角や校庭、公園など、様々な場所で目にする「屋外時計」。多くの人々に時間を知らせる役割を持つ、地域社会にとって欠かせない存在となっています。
その一方で、屋外という過酷な環境に設置されているため、長く使用するうちにトラブルや故障が発生しやすいのも事実です。
本記事では、屋外時計についての基礎知識から、故障の原因、修理の流れ、そして修理を依頼する際のポイントまでを詳しくご紹介します。
屋外時計とは?

屋外時計とは、学校や公共施設、工場などの屋外に設置され、不特定多数の人が目にすることを前提とした大型の時計です。
一般的な腕時計や置き時計とは異なり、遠くからでも時間を確認できるように大きな文字盤が採用されており、視認性や耐候性を重視して設計されています。
また、多くの屋外時計は電波を受信して正確な時刻を保つ「電波時計」となっており、手動で時間合わせをしなくても常に正確な時間を維持する仕組みが組み込まれています。
さらに、電源方式もソーラー式・交流電源式・乾電池式など多様で、設置環境に応じた方式が採用されています。
屋外時計の設置場所
屋外時計は、以下のような場所で多く見かけます。
- 学校
校庭や体育館の壁面、高さのあるポールなどに設置され、生徒や教職員が授業や休憩の時間を確認するために活用されます。 - 公共施設
市役所・役場などの正面玄関付近や駐車場に設置され、訪問者や職員にとって時間確認の目安となります。 - 工場・倉庫
作業員が一目で時間を確認できるよう、工場や倉庫の外壁や構内通路の見やすい場所に設置されています。 - 公園・運動場
利用者が遊びや活動の時間を調整できるよう、遊具付近やベンチエリアの近くに掲示板やポールが設置されています。 - 駅ロータリー・広場
駅前のロータリーや商業施設の広場など多くの人が行き交う場所に設置され、待ち合わせや乗車時間の確認に役立ちます。 - 病院等の中庭
病院や介護施設の利用者が散歩中に時間を確認しやすいよう、中庭や通路に面した位置に設置されることが一般的です。
いずれも多くの人が集う場所です。屋外時計はこうした場所に設置されることで、不特定多数の人に時間を知らせるという大切な役割を果たしています。
屋外時計の種類
屋外時計には、用途や設置場所に応じて様々な種類があります。代表的なものを以下に紹介します。
壁掛け型
建物の外壁などに設置される最も一般的なタイプです。学校や工場、役所や病院など幅広い施設で使用されます。構造が比較的シンプルで設置やメンテナンスも行いやすいのが特徴です。

ポール設置型
細長いポールの先に取り付けるタイプの時計です。時計盤が片面だけのものと両面のものがあり、両面型は異なる方向から時間を確認できることから広場や交差点でよく使用されます。

吊下型
建物の軒先や通路の天井などから吊り下げて設置するタイプの時計です。多くの人が通行する場所でよく使用され、両面型が多く採用されます。構造上、耐震性や防風対策も重要です。

時計塔
時計を高い位置に取り付け、周囲から見えるようにした建物のことです。地域や街のランドマークとして設置されることが多く、イルミネーションなどの装飾が施されるものもあります。

屋外時計の電源方式
屋外時計が正確に時を刻み続けるためには、安定した電力供給が欠かせません。設置場所や使用目的によって最適な電源方式は異なります。
主に採用されている3つの電源方式の特徴やメリット・注意点をご紹介します。
ソーラー式
太陽光を利用して充電し、内蔵バッテリーで駆動する方式です。
屋外に設置するという特性を生かしており、電源工事が不要で、電気代もかからないというメリットがあります。特に日照の良い場所では安定して稼働しやすく、エコロジー志向の施設や公共施設で採用されるケースが増えています。
ただし、設置環境によっては発電効率が落ちる場合もあるため、日陰や悪天候の多い地域では注意が必要です。
交流式(AC電源)
一般家庭と同じくコンセントや電源配線を通じて、商用電源(100Vや200V)から直接電力を供給するタイプです。
天候に左右されず安定した動作が可能で、高精度な制御や夜間照明との連動なども容易です。
一方で、設置には電源の確保や電気工事が必要となり、維持コストや安全対策も考慮する必要があります。主に大型施設や業務用途で多く使われています。
乾電池式
比較的小型の屋外時計では、乾電池を動力源とするタイプもあります。
設置が簡単で工事不要なため、一時的な使用や低コストを重視する現場では重宝されます。
一方で電池の寿命が限られているため、定期的な交換が必要です。また気温差や湿度の影響を受けやすいため、安定性や耐久性の面ではソーラー式や交流式に劣る場合もあります。設置場所や用途を選ぶタイプと言えるでしょう。
屋外時計は故障しやすい?その原因とは
屋外時計は、その名の通り屋外に設置されているため、雨風や直射日光、寒暖差といった過酷な環境に常にさらされています。そのため屋内の時計よりも故障のリスクが高いと言えます。よく見られる、屋外時計の故障の原因についてご説明します。
屋外時計の代表的な故障原因
①雨・湿気の侵入
筐体の隙間や劣化したパッキンから雨水や湿気が内部に侵入すると、基板や配線がショートする原因になります。また、湿気は時計内部に結露を生じさせ、金属部品の腐食を引き起こします。
②日射・紫外線による劣化
直射日光に長年さらされることで、プラスチック製の外装部品が黄変したり、ひび割れたりします。また、紫外線は時計盤や数字の印刷部分を退色させ、視認性の低下を招きます。
③強風・振動・落雷
強風によって時計の外装が破損したり、取り付け部が緩んでしまうことがあります。また、地震などによる振動や落雷による過電流も、時計内部の機器にダメージを与える原因となります。
④寒暖差・凍結
屋外では季節によって温度差が非常に大きく、夏は高温、冬は氷点下になることもあります。このような環境下では部品の膨張・収縮が繰り返され、内部機構に負荷がかかります。特に凍結は部品の破損や動作不良を招きやすくなります。
⑤電源トラブル
商用電源を使っている場合、停電や電圧の不安定によって時計が停止してしまうことがあります。また、太陽光発電や電池式の時計では、バッテリーの劣化や充電不良もトラブルの原因になります。
⑥電波受信不良
電波時計で多いトラブルのひとつが、電波の受信不良です。近くに建物や鉄塔などの障害物があると受信感度が下がり、正確な時刻を維持できなくなります。
⑦内部機構の経年劣化
時計のムーブメントや基板などは時間の経過とともに劣化します。潤滑油の乾燥、歯車の摩耗、部品の腐食などが進行すると、遅れや停止の原因になります。
屋外時計のメンテナンスと点検の重要性
屋外時計は、上記のような様々な要因によって内部機構や外装パーツが徐々にダメージを受け、気づかないうちに劣化が進行していることも珍しくありません。
このような事態を未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスや点検が重要です。
時計内部への水分侵入や埃の蓄積、部品の緩みなどは、定期点検によって早期に発見・対応することが可能です。特に公共施設や教育機関、商業施設など、日常的に多くの人の目に触れる屋外時計においては、止まっていたり誤表示があったりすると施設の信頼性にも関わるため、定期的な点検が欠かせません。
一般的には年に1回程度の点検が推奨されており、清掃・動作確認・電源や配線のチェック・外装の劣化状態確認などを行います。これにより、突発的な故障や大がかりな修理を回避でき、結果的にコスト削減にもつながるため、問題なく動いている場合でも定期的なメンテナンスを習慣化しておくと良いでしょう。

屋外時計が壊れたかも!そんな時どうする?
「屋外時計が止まっている」「最近よく遅れるようになった」といった異変に気づいたときは、できるだけ早めに点検・修理を検討しましょう。
屋外時計の故障は、内部で何かが深刻に劣化しているサインかもしれません。放置すればさらに修理費用が高くなってしまうこともあります。
屋外時計は修理するか、交換するか?
屋外時計に不具合が起きた時、「修理して使い続けるべきか、それとも新しいものに交換すべきか?」という判断に迷う方も多いのではないでしょうか。実際、この判断は単純ではなく、いくつかの観点から総合的に判断する必要があります。
まず一つの目安となるのが、時計の設置からの年数です。
設置後10年以上が経過している場合、内部機構がかなり劣化しており、修理しても問題が再発するかもしれません。また特定メーカーの古いモデルの屋外時計だと部品が既に製造中止となっており修理が難しい場合もあります。
さらに、時計の設置場所や工事の難易度も考慮すべき点です。高所に設置されている場合や大規模な配線が必要なケースでは、交換時に大がかりな工事が必要になるため、トータルコストや作業期間を比較し、慎重に検討する必要があるでしょう。
最終的には、専門業者による現地調査と診断をもとに、最適な方法を選ぶことが大切です。「修理で延命できるなら費用を抑えたい」「最新のデザインや機能性を求めて交換したい」など、施設側のニーズに応じた対応が求められます。
屋外時計の修理が難しい理由
屋外時計の修理は、一般の時計修理店では対応が難しいケースが多いのが実情です。その主な理由は以下の通りです。
- 屋外時計は遠くからでも見やすいようサイズや重量が大きく作られており、取り外しや搬入が難しい。
- 屋外時計は高所に設置されていることが多く、専用の機材や高所作業車、作業員が必要となるケースがあり、その手配も行わねばならない。
- 修理にあたっては配線や電源、電波受信装置など、時計以外の設備との連携が必要になる。
- 修理後の再設置や動作確認にも工事が伴う。
このように、修理には時計技術だけでなく、工事や安全管理の知識・設備も必要となるため、対応できる業者が限られているのです。
屋外時計の修理なら「白金堂時計修理工房」にお任せください!
屋外時計のトラブルにお困りの際は、ぜひ「白金堂時計修理工房」にご相談ください。
私たち白金堂時計修理工房は、屋外時計をはじめとした特殊な時計の修理を数多く手がけてきた専門店です。単なる時計修理にとどまらず、取付工事や出張対応など、屋外時計特有のニーズにワンストップで対応できる体制を整えています。
屋外時計修理で白金堂時計修理工房が選ばれる理由
①あらゆるタイプの屋外時計の修理に対応
壁掛け型・ポール設置型・両面型など、様々なタイプの屋外時計に対応可能です。腕時計の年間修理実績12,000本以上という時計修理専門店ならではの技術力で、電波時計や特殊構造の時計も安心してお任せいただけます。セイコー・シチズン・ナショナルといった大手メーカーの製品も数多く取り扱っており、部品の入手にも強みを持っています。
②修理・交換・工事をワンストップで請け負います
屋外時計の修理対応は、時計本体の修理だけでなく設置・撤去などの工事も必要になります。白金堂時計修理工房では屋外時計の修理経験豊富な工事会社と提携しているので、重機の手配や安全対策も万全です。「何をどこに依頼すれば良いか分からない…」という方も、当店ならワンストップでお任せいただけますのでご安心ください。
③出張訪問は全国対応!急ぎのご用件もお任せください
白金堂時計修理工房では、全国各地からの屋外時計修理のご依頼に対応しております。お気軽にお問い合わせください。また東京・大阪に実店舗があり、直接の打ち合わせも可能。お急ぎのお見積りや現地調査のご依頼にも柔軟に対応いたします。法人様・自治体様などとの実績も多数ありますので安心してお任せください。
④実績豊富な工事業者が対応
危険が伴う取付・撤去などの高所作業も、全て実績豊富な工事業者が対応いたします。高所作業車の操作、配線処理、電源の確認、安全対策に至るまでプロフェッショナルな施工をご提供します。特に公共施設や学校など、厳しい安全基準が求められる現場でも多数の実績があります。
⑤直営店だからリーズナブルな価格を実現
白金堂時計修理工房は直営店のため、時計修理に関して中間マージンが発生しません。高品質な修理・工事をリーズナブルな価格でご提供可能です。また、法人や官公庁向けの支払い条件や複雑なご事情にも柔軟に対応しており、見積書や請求書などの対応もスムーズに行えます。ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
全国に時計修理店は数あれど、「屋外時計」の修理を専門に対応できる店舗はほとんどないと思います。現在、管理されている屋外時計について「調子がおかしい」「遅れや進みが見られる」「修理や交換を考えているが、どこに聞けば良いか分からない」などお考えの方はぜひ白金堂時計修理工房にご相談ください!
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